特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の併給調整をやさしく解説!│わかまるのFP1級挑戦ノートvol.39

特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の併給調整をやさしく解説!│わかまるのFP1級挑戦ノートvol.39 FP1級挑戦ノート
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こんにちは、『FP1級に挑戦する主婦』わかまるです!

今日は、少し難しいけれどFP1級に挑戦するなら知っておきたい『特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の併給調整』についてお話しします!

かなりややこしいので図をみながら、制度同士を関連させながらおさえていきましょう

📌しっかり押さえたいコト
✅対象となる年齢要件
✅なにがどれだけ支給停止される?
✅支給停止期間は?


では、どんな制限がかかるのか、しっかりと確認していきましょう💪

本日の学習分野

  • 分野: ライフプランニング・資産形成 ー雇用保険と年金の併給調整-

どんな制度?

対象となる雇用保険は?

老齢厚生年金と雇用保険の給付を同時に受けられる場合には、老齢厚生年金で支給を調整されます。なお、雇用保険の給付調整が行われるのは、以下の2つと併用する場合のみです!

基本手当
高年齢雇用継続給付

高年齢求職者給付金との調整はない!

各制度のおさらいはこちらから

各制度について、一旦復習したい方は、こちらを参考にしてください💪

これでわかる!制度の概要!

老齢厚生年金基本手当を同時に受ける場合、老齢厚生年金は全額支給停止となり、基本手当が優先されます。

一方、高年齢雇用継続給付を同時に受ける場合、働いているということになるため、在職老齢年金との調整が行われます。在職老齢年金による支給停止に加えて、最大で標準報酬月額の4%相当額が支給停止となります。
(2025年4月から改正され、以前は最大6%でしたが、やや緩和されました👍)

基本手当(失業給付)との調整:働いていない場合

基本手当と老齢厚生年金は両方とも所得をまるっと補償 するための制度なので、どちらかしかもらえません。この場合には、基本手当が優先され、老齢厚生年金(特別支給、繰上げ受給)が全額支給停止 となります。

支給停止期間は、求職申込みをした月の翌月から受給期間経過(離職日の翌日から1年間)または、所定給付日数満了日が属する月まで。

基本手当を受けたとみなされる日
待機期間・給付制限期間
これらが月に1日でもあれば、その月は全額支給停止

💡なお、事後精算の制度もあります。例えば、実際には90日しか基本手当をもらっていないのに、5ヶ月分支給停止された場合などは、後で調整して年金を受け取ることができます。

高年齢雇用継続給付との調整:働いている場合

高年齢雇用継続給付を簡単におさらい

60歳以降も引き続き働く方が対象になる制度で、60歳時点の賃金と比べて賃金が大きく下がった場合に、雇用保険から一定の補償が受けられる制度でしたね。

制度のポイント

●60歳到達時の (みなし)賃金日額 × 30日分 を基準にする
●基準の 60歳時点の75%未満 に下がった場合が支給対象
64%未満 になった場合に、最大で賃金の10%相当額 が支給

2025年4月からの改正内容

実は、この制度2025年4月に改正され、64%未満で支給される最大の賃金補償の割合が引き下げられました。

改正前(~2025年3月)改正後(2025年4月~)
高年齢雇用継続給付:最大15%支給最大10%支給

在職老齢年金との関係は?

高年齢雇用継続給付を受け取る場合、同じく60歳以降に厚生年金をもらいながら働いている場合に受け取る「在職老齢年金」に影響があります。これは「雇用保険から一定の補償があるから、年金からは少し減らしましょうね」という考え方によるものです。

併給調整の仕組み

  • 高年齢雇用継続給付が支給されると、在職老齢年金最大で4%支給停止になります😥

2025年4月からの改正内容を確認

この制度も2025年4月に改正されました。高年齢雇用継続給付の補償の割合が引き下げられたぶん、年金の停止割合も軽減された形ですね😊

改正前(~2025年3月)改正後(2025年4月~)
高年齢雇用継続給付:最大15%支給最大10%支給
在職老齢年金:最大6%停止最大4%停止

高年齢雇用継続給付の割合と在職老齢年金の支給停止割合の関係

ここでは、60歳以降の賃金と高年齢雇用継続給付の割合によって在職老齢年金が支給される割合も変化知するので、以下の3パターンを図でしっかり確認しておきましょう💪

60歳以降の賃金が64%未満に低下した場合

60歳以降の賃金(標準報酬月額)が64%未満に低下した場合には、高年齢雇用継続給付として低下した賃金(標準報酬月額)の10%が支給されます。この場合には、雇用保険からある程度の所得補償が行われているとみなされ、在職老齢年金については標準報酬月額の4%が支給停止されます。

60歳以降の賃金が75%以上ある場合

60歳以降の賃金(標準報酬月額)が75%以上ある場合には、高年齢雇用継続給付金は支給されないので、在職老齢年金の支給停止もありません。

60歳以降の賃金が64%以上、75%未満の場合

この場合は、高年齢雇用継続給付の割合に応じた率で、在職老齢年金の支給停止がされます。

いかがでしょうか?二つの制度の関係が理解できたのではないでしょうか💡

FP1級試験の過去問を解説!

最後にFP1級試験の過去問をといて、知識をアウトプットしていきましょう💪

📌 2021年1月試験 改)

社会保険の給付に係る併給調整や支給停止に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) 特別支給の老齢厚生年金の支給を受けている者が雇用保険の基本手当の支給を受ける場合、求職の申込みをした月の翌月以降、基本手当の支給を受けた日とみなされる日が属する月分については、特別支給の老齢厚生年金は支給停止となる。

2) 厚生年金保険の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給を同時に受けることができるときは、特別支給の老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みに加えて、毎月、最大で標準報酬月額の4%相当額が支給停止となる。

1)正しい:特別支給の年金と基本手当

これは、60歳から65歳で特別支給の厚生年金をもらっていて、働いていないので、雇用保険から基本手当を受給する場合のことですね。この場合は、両方とも所得をまるっと補償 するための制度のなので片方しかもらえません。

優先されるのは、雇用保険なので、基本手当はもらえるけど、年金は全額支給停止になります。

2)正しい:特別支給の年金と高年齢雇用継続給付

この場合は、働いているときなので、特別支給の年金=在職老齢年金と高年齢雇用継続給付の併給調整の話ですね。

在職支給停止とは、働くことによる給与と年金を両方もらっている場合には、総額が一定額(51万円:令和7年度)を超えると、超えた額の2分の1の額の老齢厚生年金が支給停止されるという制度です。この調整がされた年金を在職老齢年金と言います。
しっかりおさらいしたい方のは、以下の記事がおすすめです💪

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さいごに

制度の仕組みは本当に複雑で、「何がいつどうなるの?」と混乱しがちですが、
ひとつひとつ紐解いていけば、きっと理解が深まります😊✨

私もまだまだ勉強中ですが、一緒にコツコツがんばっていきましょうね✍️
次回もFP1級に役立つ内容をわかりやすくまとめていきますので、ぜひまた見に来てください♪

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